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【分類法】ボーカルトレーニングの習得段階

 

【ボーカルトレーニングの習得段階】  

  

  

  

  

  

先ほどのコラムで、ボーカルーニングは「認識→習得→使用→コントロール→無意識」の5段階に段階分けしていくと書きました。  

  

  

  

ここではそれぞれの上達段階を詳しく見ていき、自分の現状把握がきちんと行える様にして行きましょう。  

  

  

  

  

  

1.認識  

  

  

  

認識は、「自分がどのような歌い方をしているのかがわかる」や「歌やお手本を聴く中で自分が行っている事とお手本の違いがわかる」といった段階です。  

  

  

  

歌の初心者だと歌手の歌を聴いてしゃくりが入っているかどうかがわからないという人も多いですが、中級者以降も「発音の微妙な違いがわからない」「しゃくりでのピッチ変化のスピードや変化の幅が聞き取れない」などといった事はよく起こります。  

  

  

  

まずは自分の現状と目標の違いを明確に理解する事がスタート段階となります。  

  

  

  

  

  

2.習得  

  

  

  

習得は、上で認識した「目標と同じ動き」を行う事が出来るという段階です。  

  

  

  

例えばビブラートを思った通りの深さとスピードでかけることが出来る、思った通りのタイミングと方法でリズム表現を入れることが出来る、などといった状態です。  

  

  

  

この段階は、まだ歌唱中に安定してその動きを入れる事は難しいですが、発声訓練中に単発で入れる事なら出来るという状態を指します。  

  

  

  

  

  

3.使用  

  

  

  

使用は「ある決められた動きのみなら歌唱中に行うことが出来る」という段階です。  

  

  

  

例えば「ある深さとスピードのしゃくり」なら歌唱中いつでも出すことが出来るが、「しゃくり」という大きな観点で見ると場所によって深さやスピードのコントロールが難しい、という状態です。  

  

  

  

2で習得した動きに限定すれば使いこなせるため、ここまでで歌唱法をマスターしたと思ってしまう人が非常に多い印象です。  

  

  

  

  

  

4.コントロール  

  

  

  

コントロールは、「子音コントロール」や「ビブラート」の様に大きな観点でテクニックを見た時に、そのテクニックを自在に調整しながら自由に歌う事が出来るという段階です。  

  

  

  

ここまで来ればおおむねそのテクニックを使いこなせると言っていい状態かと思いますが、例えば「ステージに立つ」「人を感動させる」など常人のレベルを突破するためにはもう一歩精進する余地がある状態です。  

  

  

  

それぞれのテクニックに関してはこのコントロールの段階をゴールとして設定し、その複合訓練の集大成として次の無意識の段階を目指します。  

  

  

  

  

  

5.無意識  

  

  

  

無意識は、読んで字のごとくテクニックや歌唱調整を無意識に行う事が出来るという段階です。  

  

  

  

今自分がコントロールできるテクニックや歌唱法を意識せずに使用する事が出来るかということになりますが、これは発声訓練で取り上げた「アージ・トリーベン」とも密接にかかわってきます。  

  

  

  

声の表出は本能的な動き(小脳からの反射的指令)によって行われますので、コントロールのような頭(大脳)で考えて行う段階の場合その表現に不自然さやわざとらしさのようなものが生まれてしまいます。  

  

  

  

また、考えながら歌っている状態ではASC(Altered Atate of Aonsciousness:変性意識状態)と呼ばれる、いわゆる「入り込んだ状態・トランス状態」になる事が非常に困難です。  

  

  

  

  

  

その為ボーカルトレーニングの最終目的として、この無意識状態を目指し「感情のままに声が勝手に表現を行ってくれる状態」を目指していきましょう。  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

お疲れ様でした、ここまででボイストレーニングとボーカルトレーニングの大まかな解説は終了です。沢山情報があって大変でしたね。  

  

  

  

  

  

次のコラムから、ボイストレーニングとボーカルトレーニングのより詳しい分類について解説していきたいと思います。  

  

一度に読んでいくと大変なので、興味が湧いたところから見て貰うのが良いかなと思います。  

  

  

  

  

  

歌の上達のために、一緒に頑張っていきましょうね。  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

Saucer Of the Sound music school 代表 絢太(kenta)