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なぜ、今行き詰まっているのか

 

今まで僕は、ボイストレーナーとして沢山の方のレッスンを行って来ました。  

 

一年におよそ2,000レッスン、今までを累計すると10,000回以上のレッスンで人の声と向き合って来ました。  

 

  

   

  

当然凄まじいスピードで上達する方もいれば伸び悩む方もいました。  

 

「違いは何だろう」と考えた時、出てきた2つの答えはどちらも意外とシンプルな物でした。  

  

   

 

  

   

  

一つはレッスン内容の良し悪しです。これは当然ですね。  

  

   

  

お伝えする内容に不備があったり、間違った内容のレッスンをした場合は当然伸びません。これは僕たち講師側の課題です。  

 

ここについては、少し先の「既存のボイストレーニングで伸び悩んだ理由」というコラムでお話ししましょう。 

  

  

   

  

そしてもう一つ、このコラムでお話ししたい内容です。 

それは受け手であるあなたの課題として考えられる事。それが「理解度」であり、その根底にあるのは「真剣度」です。  

  

   

 

  

  

今まで歌の練習をしてきた中で、その練習内容の根幹をきちんと理解しながら取り組めた事はどれ位ありましたか?  

 

「歌が上手くなりたい」「プロになって音楽で人生を生き抜きたい」と思っているのに、ただ漫然とレッスンを受けるだけで終わっていませんか?  

 

  

   

  

例えば「腹式呼吸を練習して腹から声を出せるようにしよう」と思い練習していたとします。  

  

 

  

果たして腹式呼吸とは声を出す上でどの様な効果をもたらすのでしょうか。腹から声を出すとはいったいどう言った事なのでしょうか。  

 

  

その意味が分かっていない状態でその様な練習を繰り返しても  

  

・本当に腹式呼吸やお腹から声が出せる様になっているのかがわからない  

  

・(あくまで感覚での話ですが)お腹から声が出せたとして、それが歌にどう活かされるのかわからない  

  

・だから講師に「出来ているよ!」と言われても、いまいち習得出来た実感がわかない。あるいは「まだ出来ていない」と言われても、具体的にどこがダメなのかわからない 

  

  

こんな状態では、上達が遅くなってしまうのも当たり前だと思いませんか?  

  

   

  

  

少し専門的な話になってしまいますが、実際にはこの腹式呼吸や腹筋を強調した発声法(呼気上発声などと呼ばれています)には、初期段階では特にデメリットの方がはるかに大きい事がわかっています。(局所的にレッスンで使う事もありますが)  

   

  

一般的に「お腹を使う」と言われているメニューは、横隔膜を使って肺を強く圧迫し呼気圧(吐く息の強さ・圧力の事)を上げるのが目的とされています。  

 

  

声帯とは成人でもおよそ1~2センチメートル前後の、非常に小さく柔らかな粘膜質の器官です。人間はそれを閉じる事で声を作っています。(詳しくはボイトレコラムをご覧下さい)  

  

  

そこに腹筋や横隔膜などの大きな筋肉をフルに使った強い息をぶつけてしまえば、たちまち声帯の閉鎖は崩壊してしまいます。  

   

  

そこで声帯の閉鎖を保つために声帯を固く緊張させ(呼気圧迫と言います)強い呼気に耐えられる状態を作ろうとしますが、当然それでは声帯はコントロール出来ないため声の自在さは失われてしまうし声帯も傷付きやすくなります。  

  

  

  

今まで腹筋に思い切り力を入れて歌った/発声した時、一時的に声量が上がったり音域が少しだけ伸びたりするが、声の自由が利かなくなって歌詞が上手く発音出来なかったりビブラートなどがかけられなくなったり、歌った後喉の痛みを覚えたりした事はありませんか?  

  

  

こういった事を知らずにボイストレーニングをする事で、知らず知らずの内に自ら悪い癖を増やしていた、なんていうケースが非常に多いのです。  

  

   

せっかく一生懸命練習したのに、その結果むしろ悪い方向に向かってしまっていた。これはとても悲しい事ですよね。  

  

   

 

   

  

当然この様なケースは、上で述べたような知識を持っていない未熟なボイストレーナーが悪いのです。  

  

   

しかし、教わった事を自分で深めていく事が出来れば、この様な事を防ぐ事も出来るかもしれない。  

  

   

そのボイストレーナーが本当に正しい知識を持っているのか、きちんと見抜けるかもしれませんよね。  

  

   

  

   

  

僕も歌を習い始めてから何年も、この様な間違った事ばかり教わって来ました。  

 

  

何年も言われた通りに練習しましたが、ほとんど上達は感じられませんでした。当然です、上達するはずのないメニューばかり行っていたのですから。  

  

  

そしてそうとは知らずただ漫然と「これが正しいのだろう」と間違った方法を続けて、自ら悪い癖を固着させ続けていました。  

  

  

  

  

今思えば、僕もあまり真剣に歌に向き合っていなかったのかもしれません。なぜなら上手くなりたいと思っていたのにそれをすべて講師任せにして、ただレッスンを受けていた”だけ”でしたから。  

  

   

  

   

  

このコラムをご覧になっている方には、ぜひ正しくボイストレーニングに臨んで欲しいのです。  

  

正しく練習を行えば、少しずつでも確実に声は変わっていきます。その方法論はここでしっかり説明します。  

  

   

 

これから何ページにもわたって、ボイストレーニングへの臨み方から上達理論まで出来る限り細かく書いていきます。  

  

   

 

  

  

上達への一番の障害が「誤解・誤認」や「雑さ」であるからこそ、馬鹿丁寧な位に書いていきます。  

  

  

   

  

本当に上達したい方、しっかりと学びたい方。興味が湧いたページだけでも構いません、ぜひこのコラムを読んでみて下さい。  

  

   

  

  

あなたが今まで行ってきた練習法がどういった物だったのか、そして今  

  

   

   

  

   

  

なぜあなたが伸び悩んでいるのか  

  

   

  

  

  

それをきっと理解していただけると思います。  

  

  

  

   

  

   

  

Saucer Of the Sound music school 代表 絢太(kenta)  

 

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